素ヱコ農園は、鶏の餌にこだわりを持っている。
餌はなるだけ顔の見える方から自分たちで集めて、自分たちで配合している。
一般的な養鶏場さんは、餌メーカーさんから配合飼料を買って与えている。
配合飼料はいろんな研究の末にできたもので栄養バランスも優れていたり、必要な時に必要な量購入できるので、非常に便利だ。
僕の規模になると、毎月2トンほどの飼料を消費する。
ということは、毎月2トンの餌を調達しなければならないということだ。
餌メーカーさんに頼めばすぐに持ってきてもらえる量だが、自分で集めるとなると相当な労力だ。
佐賀県は米や麦を大量に作っている農家がたくさんいるので、頑張ればなんとか集まる量だ。
近くに大きい農家さんがいらっしゃって、本当にラッキーだ。
問題は運送だ。
僕はトラックも持ってなければ、重いものを持ち上げるリフトも持ってない。
今まで他の人に依頼してなんとかリフトを使わずに済んでいたけど、今回はあてがなかった。
とりあえず、リフトもトラックも両方レンタルした。
期限は夕方まで。
フォークリフトは初めて使った。
「フォークリフトは車体が重いので、柔らかい土の上で使用すると動かなくなる」
とレンタルしてくださった会社の方が教えてくださった。
初めて使用したフォークリフト。
まずは走らせずに、上下動かして感触を確かめて、いざ出陣。
Uターンして方向を変えようとすると動かなくなった。
タイヤが土に練り込んでしまった。
いろいろ動かしてみても完全に動かなくなった。
返却時間が差し迫っている。
とりあえず、いろんな人に声かけてみたけど、繋がらない。
一人でどうすることもできずに、すっかり落ち込んでしまい、妻に愚痴をいうかのように電話すると、義父に相談してくれた。
義父はフェルマ木須の社長さんを呼んでくださった。
木を挟んでみたり、軽トラで引っ張ってみたり、押してみたり、3人で1時間ぐらい試行錯誤してなんとかリフトを動かすことに成功した。
2人が来てくださってよかった。
返却も間に合った。
フォークリフトは扱いが非常に難しく、また事故も起こりやすいとのことだった。
僕は何が危ないかもわかってなかった。
今回2人が助けに来てくださったおかげで無事に期限までに機械も返すことができた。
今の養鶏場でフォークリフトを使うには、危険だということがわかった。
機械を使う際は十分に気をつけたい。