今年から米の栽培も本格的にやってみようと思っている。
うちには小規模の田んぼがある。
かなり古いが道具は一応一式揃っている。
去年もちょっと手伝ったりしたけど、今年はがっつり自分の責任で全部やってみようと思う。
自分の中で、お米づくりって難しいイメージがあって、心のどっかでちょっと敬遠してた。
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有機栽培で有名な久松達夫さんという方がいる。
年間50品種ぐらいの野菜を作られている茨城農家さんで、慶應大学出身で大企業を経て、新規で農家になった方だ。
キレイゴトぬきの農業論で、久松さんのことを知った。
過度な有機農業信者とは対象的に、慣行栽培のいいところや有機農業への間違いをロジカルな説明で展開されているところにすごく関心を持った。
例えば、野菜の美味しさを決めるのは、栽培以外の方法であり、栽培時期(旬)、品種、鮮度で8割決まるので、有機栽培だから美味しいというのは間違いだ、という主張など。
農業は情緒的になりやすいが、因果関係をしっかり捉えて出来るだけ事実に近いことを推測することが大事だなと思った。
そして、2冊目の小さくて強い農業をつくるという本では1冊目とは違って農業を始める前の葛藤や始めてからの苦労が赤裸々に語られていた。
「やりたいんだよ」
理屈を超えたとにかくやりたいという前のめりな突っ込む気持ちに共感した。
久松さんが農家を始める前に慶應大学の教授に挨拶に行ったらしい。
そして、その教授に、農業をするならと、夏子の酒という漫画を読むように勧められたと書いてあった、
僕も気になって夏子の酒を全巻買って読んでみた。
非常に、面白かった。
もう一巻から泣いてしまった。
この物語は、酒蔵の娘である主人公の夏子が、酒蔵の跡取りの兄の死をきっかけに地元へ戻り、兄の夢だった日本一の酒を作るために奔走する物語だ。
この本のすごいところは、農薬の問題や田舎の過疎化の問題などを丁寧に描写しているところ。
漫画に書かれている内容がかなりリアルで、農業の問題などについてはすごく勉強になった。
夏子は無農薬で米を作ろうとするのだが、周囲の理解や技術不足でなかなかうまくいかずに悔しい思いをすることも多々あった。
夏子を始め若者の葛藤が自分と重なることが多くて
本当にたくさん泣いてしまった。
前置きが非常に長くなった。
夏子の米作りを見てて、僕も米を作ってみたくなった。
どうせなら、中山間地特有の棚田とかやってみたい。
一応2反ほどは借りている。
大平山の棚田を借りていて、そこは特栽米としてブランド化している地域だ。
こだわって作られている方々と一緒に米を作れるのは勉強になるなと思った。
とはいえ、僕は米作りをしたことなかった。
とりあえず、普及センターに電話してみて米作りのやり方をいろいろ聞いてみた。
今年一年は、米作り赤字でいいので、挑戦と思って、まず一通り自分の力でやってみることを重視しよう。
分からないことにも、どんどん飛び込んでいなかくては。