「農家は、儲からないから、辞めろ。」
いろんな人からそう言われた。
僕には、農家のお婆ちゃんがいる。
もうそろそろ80歳にもなるのに、10年以上1人で農業してる。
このばあちゃんの頑張りを途絶えたくないな。
そう思って、農業したいと思い、いろんな方に相談した時に、みんなから反対された。
すごく厳しいけど、ぼくのことをちゃんと思ってのことで、すごく現実的で優しい忠告だった。
現に、ぼくの祖母は農業で食べていけてない。
そんな優しい忠告を無視して、僕は農家になった。
農家になって3か月ちょっとだが、やはり農業は厳しいなと思う。
まず、作物を作ること自体が難しい。
この大雨。
4月に植えて収穫するつもりだったトウモロコシがほぼ雨でやられてしまった。
また、水菜も、水没してしまい根っこが痛んでしまって、ほとんど出荷できなくなった。
また、水にやられなかった作物も、アライグマが来て、荒らされてしまった。
また、農薬を使わずに作物を作りたいと考えているため、傷んだり、虫に喰われたりもする。
農業って、難しいなと思う。
じゃあ、あの時、良い企業に入るのを蹴って、農業をすることを選んだことを後悔してるか?
と聞かれると、全然そう思わない。
うまくいかないことも多いけど、でも、まだまだやれること全部やってないなと思う。
農業で生きていくためには、大きく分けて3つの選択肢しかないと思う。
①兼業
②大規模化
③付加価値をつける
山がちな地形でまとまった面積がとれない伊万里という土地柄、②の大規模化は難しいと思う。
そして、サムコや名村がある伊万里は、比較的、①の兼業という形態が取りやすかった。
兼業は、省力化が、必要なため、手間がかかる無農薬栽培などが、発展しずらい。
僕が、とっていく方向性はどれか?
おそらく③だろう。
じゃあ、付加価値ってなんだ?って話になる。
以前、言われたことは、
「野菜なんて、どこでも買える」
ってこと。
まさに、そうだなって思う。
どこでも買えないもの。になる必要があるんだなと思った。
枝豆が、たくさんできた。
これは農薬を使わずに、育てた。
菜花を利用して、それがおとりとなって、虫が来るような手法を使った。
(バンカープランツという)
売る所もないので、一つ一つ手売りしてみた。
農薬を使ってないってところ、びっくりするほど、引っかからなかった。
ヨーロッパでは、未来のため、と言って、無農薬ばかり好まれてたのに。
兼業農家がたくさんいて、農薬を使うことが当たり前の土地柄だからなのかな。
これは、ピンチなのか、チャンスなのか。
どうやって付加価値をつけて行くか分からない。
いろいろ言っても、しょうがない。
とにかく枝豆が、大量にあるのだ。
なんもしで、この枝豆を売らないと、だめなんだ。
売り先がない。
だから、とりあえず、一人一人売りあるこうと思う。
昨日は、雨が降ってなかなか回らなかったが今日は行けそうだ。
百軒でも二百軒でも、ピンポンして、周りたいと思う。