「いいね〜」
僕が研修させてもらってる農家の真野さんは、この言葉をよく使う。
草を狩っては「いいね〜」
地面を耕しては「いいね〜」
収穫しては「いいね〜」
箱詰めしては「いいね〜」
収穫を教わっていた時だ。
マイクロリーフの収穫は非常に大変だ。
だって、3グラムとかで販売するから。
一つ一つが少ないから、もし、収穫がミスったら、お客さんの評判を下げてしまう。
ハサミの研ぎ方から、収穫の時の葉っぱの持ち方など注意することを事細かに教わった。
箱に入れる前は、「いいね〜って言うんだよ」
これもしっかり教わった。
実際、超恥ずかしかった。
なんか、言わされてる感あったし。
ただでさえ、注意事項が多い収穫の作業なのに。。
とりあえず言われたことは全部やるのが、今の僕のルールなので、収穫できたら言ってみた。
「いいね〜」
そして、もう一回収穫できたら
「いいね〜」
そんなことを繰り返していたら、なんだかだんだんと楽しくなった。
言いながら、気づいた。
「いい」と発音するためには、広角が上げなくてはいけない。
勝手に広角が上がる。
そう、自動的に表情が笑顔になる。
そういえば、人の感情は、行動の後追いで、行動が先で後から感情がついてくると言う話を読んだことがある。
この本は、「私」が、どういう存在なのかっていうのを論文や実験など、脳科学の視点で書いたものだ。
読んだ後、人間の複雑な心についての「答え」を知ってしまったんじゃないかって思えるような面白い本だった。
他にも、人の好き嫌いや、何かをした理由の曖昧さなど、すごく参考になった記憶がある。
また、読みたいな〜
他にもどんな体勢をするかで、感情が後からついてくるという話はある。
Your body language may shape who you are | Amy Cuddy
2012年のやつでちょっと古いが、すごく有名なTED。
知ってる人も多いと思うけど。。
体を大きく開いて、堂々とすることで、テストステロンが上がり、コルゾチールが下がるらしい。勝負の前に、たった2分間、一人で堂々と体を使うことで、その勝負が変わってくる。
この話の中であった「fake it till you becom it(それが自分になるまで、演じなさい」って言葉はすごく感銘を受けたし、実践したいと思った。演じていたら、いつの間にか、それが本当のことになるというやつだ。
僕もなりたい自分を演じてみよう。そしたら、いつの間にか演じてる自分が本当の自分になってるらしいから。
さて、そんなことを思い出すと、あの真野さんの言葉、「いいね〜」がすごく合理的に思えてきた。
積極的に使ってみよう。
草を狩って
「いいね〜」
地面を耕して
「いいね〜」
収穫して
「いいね〜」
箱詰めして
「いいね〜」
マイクロリーフは、一流シェフを相手にしていて、細かい作業が多い。
そして、地味な作業が多い割に、一つ一つ大切にしないといけないことが多い。
そんな時に、「いいね〜」って言うと、その作業の色が変わった。
そして、野菜ひとつひとつに対して、愛着が出てくる。
「いいね〜」
よし、この言葉、積極的に使っていこう。
そして、もっと体の使い方や言葉の使い方も考えていこう。
特に、普段何気なく使っている口癖は積極的に見直そう。
そういえば、1週間ぶりに髭を剃った。
農業をしてるし、今までこんなことなかったから、せっかくだから伸ばそうと思っていた。
でも、いざ伸ばしてみると、抜群に似合ってなくて、このままじゃ人前に出るのが恥ずかしかった。
そんなこんなあって、泣く泣く髭を剃った。
久々に若返ったような自分の顔を鏡で見た。
「俺の顔、いいね〜」