朝の作業は寒い。
特に、僕は冷え性で、手が冷えてカチカチになる。
産みたての卵はあったかい。
朝、養鶏場に行くと、産みたての卵に出会える。
カチカチに冷えた手で、その産みたてのあったかい卵を集めると、手がぽっかぽかになる。
冷たくなった手を温めてくれる卵を持つと、いつもより余計に、ありがとうって言いたくなる。
そんな朝の作業。
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佐賀から、こうせいが電車に乗って、手伝いに来てくれた。
こうせいは、学生時代にバイトしてた塾の生徒だった。
当時、こうせいは中学生。
僕は19歳。
あれから4年経ち、こうせいは今大学生だが、今でもこうして連絡取り合って、手伝いに来てくれることが嬉しい。
こうせいの話を聞くと、コロナで大学の授業もオンラインとなり、思うような大学生活を送れてないという話だった。
こうせいの話を聞いて、いろんなところでコロナの影響が出てるんだなと改めて感じた。
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こうせいは、よく働いてくれた。
泥で汚れた大量のビニールを頑張って片付けてくれた。
作業をしながら、いろんな話をできてよかった。
やっぱり年下って、優秀だ。
自分が考えていたことなんて、もう既に実践してたりする。
こうせいに、いろいろ教わったので、僕も頑張ろうと思う。
付き合う人が固定化されちゃったら、入ってくる情報や考えることも偏ってしまうので、いろんな人と仲良くコミュニケーションできたら、楽しいなぁって思った。
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今、井戸掘りを頼んでいる、おっちゃんは、70歳を超えてる感じがするが、とても気さくで、物知りで話をしてて楽しい。
いつもニコニコしてて、隙があるから、気を使わずに話をすることができる。
このおっちゃんと話をしてて、情報って、こういう人のところに集まるんだろうなーって思った。
僕も、おっちゃんに習って、ニコニコしようと思う。
さて、そんなおっちゃんから、あんまり良くない知らせを受けた。
「40メートルぐらい掘ってるけど、全く水が出る気配がないぞ。不気味だ。」と。
話を聞くと、過去に、隣に川があって最高のコンディションの場所で、90メートルぐらい掘ったけど、水が出なかったことがあるらしい。
そのときは、話をして、諦めてもらったらしい。
もちろん、お金も多少払ってもらったらしい。
「水が出なかったら、どうしよう」
おっちゃんの話を聞いていて、ちょっと不安になった。
でも、まぁ、祈るしかない。
僕がどうのこうの心配しても、なんもならんから、僕は僕ができることを淡々とやって待とうと思う。
でも、あぁ、ちょっと不安だ。