にふるたくが伊万里を離れるので、今日が仕事をする最終日となった。
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「よし、片付けがなんとか終わった!!今から鶏飼って、養鶏始めるぞー!」
っていう慌ただしい変化のタイミングに、ふるたくが来てくれたので、本当に助かった。
鶏のお世話したり、水を引っ張ったり、ひよこ取りに行ったり、ビニールを何度も貼ったり、ネット貼ったり、基礎工事したり、いろんなことしたな。
そして、ふるたくがたくさんいろんな人連れて来てくれたおかげで、伊万里にいるのに知り合いがどんどん増えた。
少なくとも僕はこの2ヶ月、本当に楽しかったし、学生時代に仲良くしてた友人と一緒に働けた時間は、夢のようだった。
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人を深く知ることで、自分を深く知れる。
ってことをふるたくと一緒に過ごしてて痛感した。
ふるたくとは、この2ヶ月ちょっとの間、家も一緒、仕事も一緒、ご飯も一緒、ほぼすべての時間をずーっと一緒に過ごした。
ふるたくのことを知れば知るほど、自分と違う部分が見えてきて、面白かった。
自分の知るには、他者ををちゃんと知って、そこと比較する必要があるということを理解出来たことは、かなり大きな気づきとなった。
最後の仕事は、耕作放棄地のハウスの整備。
伸びすぎた草が視界を塞ぎ、無造作に転がったいろんなサイズのゴミが障害物となって行手を阻む。
ふるたくは、この草ボーボで、ゴミが落ちて、荒れ果てた農地を見て、
「自分だったらやらない。すごいな」
とドン引きしていた。
正直に言えば、僕だって、やりたくない。
でも、やる!
やる気だけで、猪突猛進しているわけじゃない。
僕は結構、大胆な手を取ったり奇抜なことをやるタイプと思われることが多いが、意外と現実主義者で、冷静に現場をみるタイプだ。
わざわざこんな荒れた耕作放棄地をやる理由がある。
ハウスで農業をやる際に、二つの選択肢があった。
①時間と手間はかからないが、高い。
②時間と手間はかかるが、安価。
一からハウスを建てようとすると、1000万円ぐらいはかかる。
でも、始めたばっかりは、農業技術が伴っていないので、大きな額を投資するのはリスクが大きい。
これからの世の中は、高齢化で農業人口がどんどん減って行く。
必然的に耕作放棄地はどんどん増えていく。
これは地域にとってはかなりの痛手だし、若者にとってはチャンスとも言える。
そうなった時に、耕作放棄地を綺麗にした経験を持っている人間とそうでない人間では、そこに手を伸ばせるかどうかに大きな差が生まれる。
時間や手間を考えても、まずは耕作放棄地を綺麗にした経験を選んだ方が、長い目でみた時にプラスだなって思ったからやってる。
新しいハウスを建てるのはお金さえあればすぐにやれる。
今やってることは、お金払っても、時間がなければできない経験だ。
すると、さっきの選択肢の見え方が変わる。
①時間と手間はかからないが、高いし、経験として残らない。
②時間と手間はかかるが、安価で、経験として残る。
そしたら、どっちの選択肢を取った方がいいかわかる。
結構、理詰めで動いていることが多いってことをふるたくと話をしてて、気づかされた。
他にもたくさんたくさんいろんな気づきがあったので、この辺で。
別に、この先も繋がりはあるし、また来てくれると思うので、さらっと別れようと思う。
ありがとうございました。