素ヱコ農園の日々

佐賀県伊万里市で便利になった世の中で、手間のかかるストレスフリーの平飼いで外国産の餌に頼らないこだわりの餌作りを行っています。

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たおくんがいることで

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たおくんが来てくれたことで、素ヱコ農園及び僕自身にとても良い影響をもたらしていると思う。

 

 

現在、鶏の世話から卵の箱詰め、卵の販売や経理など全ての作業を一人でやっているため、日々の作業でいっぱいいっぱいで、改善したくてもできないところがたくさんあった。

 

たおくんがいることで、どんどん仕事がさばけて、今まで手が届かなかったことができている。

 

ずっと作りたかった餌箱も製作できたし、産卵箱の改善もできた。

 

餌箱に関しては、僕がじいちゃんの法事に行っていた間に、一人で全部作ってしまったから、感心した。

 

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昼ごはんあったのに、昼ごはんも食べずにひたすら作業してくれていた。

 

たおくんの集中力に脱帽した。

 

結果が出る人は、スイッチが入ると異常なまでにのめり込む人が多い。

 

たおくんがいるうちに、夏場に向けての高温対策として黒寒冷紗をかけたり、産卵箱を増設したり、応急処置用の部屋を作ったり、簡易的な直売所の製作をしたいと思う。

 

こういう作業的なハード面だけでなく、ソフト面もいろんな刺激をもらっている。

 

 

今までは、やるべきことをノートにまとめていたが、たおくんが紹介してくれたアプリのtrelloを使うことで、スマホで随時確認できて、かなり便利になった。

 

さらに、たおくんと話をしていると、僕の能力的な課題も見えてきた。

 

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気づいたことは、僕はコピーライティング能力に乏しいということ。

 

今まで、僕は選んでもらうということをあまりやってこなかった。

 

これまで卵の販売は定期購入の方や飲食店メインだった。

 

そのため、いろんな卵がある中で、いかに目立つかやいかに心に響くか?などは考える必要がなかったので、そこの能力が育たなかった。

 

でも、今後は直売所やスーパーやECショップなどでの販売も増えていくだろうし、数ある食品の中で、いかにうちの商品を買ってもらうか?を考えることも大事になってくる。

 

そうなった時に、お客さんは誰で、そのお客さんにはどんな言葉を伝えると買ってもらうかなどを考えていく必要がありそうだ。

 

コピーライティングについて今まで全然考えたことなかったけど、いい機会なので少し勉強してみようと思う。

 

そうだ、僕は自己紹介とかも苦手なので、その辺もコピーライティング能力で、自分自身をどう表現するか?とかにつながってくると思う。

 

 

たおくんといることで、自分自身をたおくんと比較して見ることができるので、自分のことを今までと違った角度でみることができた。

 

こういう環境を作ることを意識したいなと思った。

 

 

人と一緒に仕事をするって、いろんな意味でいい。

 

フィリピンのサトウキビ、たおくん

たおくんが素ヱコ農園に来た。
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養鶏を学びたい、と知人の紹介でうちに1週間程度泊まりこみで手伝うことになった。

 

たおくんはボーダレスジャパンという会社に所属している。

 

たおくんはすごく面白い人だ。

「フィリピンのサトウキビ農家の貧困を無くしたい」

とボーダレスジャパン内で起業することが決まっている。

学生時代に大学を休学して、フィリピンなら一年間行ったときに、フィリピンの現状にショックを受けたらしい。

ボーダレスジャパンという会社は、社会問題をビジネスで解決するというソーシャルビジネスをやっている会社だ。

 

 

貧困問題や環境問題など、NPONGOがやるような社会貢献活動をビジネスで解決するということを目標にやっている。

 

 

たおくんは、ボーダレスジャパンに出資してもらい、フィリピンで貧困に苦しむサトウキビ農家に寄り添うような事業をやることが決まっている。

その中で、養鶏に興味があるいうことで知り合い経由で繋がった。

 

 

この話が来た時に、僕はまだ何も出来てないし、うちよりすごい養鶏場はいっぱいあるから、断ろうとした。 

でも、たおくんは、手作りでゼロから養鶏をスタートさせたところを見たいからとうちに来てくれた。

1週間ぐらい泊まりたいそうだ。

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たおくんは、朝早くから、餌やりや草刈りなど、 なんでも一緒に手伝ってくれる。

 

作業の合間、いろんな話ができて、刺激になっている。

 

 

たおくんの会社は、新卒に1000万円渡して自分達で計画し事業をやらせるという会社だ。

 

昨年は自分達で事業をやったが、なかなかうまくいかなかったらしい。

 

でも、自分達で事業を行う中で、いろんなことを学んだんだろうなと確信した。

 

 

たおくんとの話の中で、特に印象に残ったことは、

モチベーションや個人の感情などは無視して、
自分の事業や目指したい社会にとって関係あるかどうかで行動すべきだという話。

 

 

確かに、営業する時に話しかけるのは恥ずかしいけど、事業にとってはやった方がいいので、話しかけた方がいい。

 

 

自分の感情に左右されずに、事業ありき、志ありきで行動したいと改めて思った。

 

 

モチベーション高いとか低いとかは、事業を進める上で本当に無駄なことだなと。

同級生のたおくんが来てくれたことで、仲間ができたようでとても嬉しい。

 

 

仕事のことももちろんだし、くだらない話でも、
とにかくいろんなことをざっくばらんに話せる。

高校時代に会ってても友達になっていた気がする。

 

 

だって、楽天に入社した友達が、楽天カード入会するための勧誘の電話してきたのに、営業の仕方にダメ出ししてたところとか笑ってしまった。

他にも、出身校である名門の北海道大学というブランドを使って、モテてようとしてたり。笑

改めて、仲間って大事だなと思った。

まつばやにて、販売開始

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昨日からまつばやというスーパーにうちの卵を置いている。

 

全店舗に置くことは可能なんだが、配達の手間もあるので、伊万里の2店舗と有田の1店舗に絞って置いた。

 

バーコードを貼ったりする作業など、初めてでどうしていいかわからなかったが、店員さんが優しく対応してくれてた。

 

卵を棚に並べながら、買ってもらえるかなとドキドキしていた。

 

正直、スーパーに売るのは、ちょっぴり怖かった。

 

なぜなら、卵が自分の目の届かないところに行ってしまうから。

 

 

うちの卵は鶏の環境や餌にこだわっていて、スーパーで並ぶ普通の卵と比べるとかなり手間暇かかっている。

 

その分、卵の値段も高くなる。

 

卵を食べたら味も違うし、平飼いの卵を買うこと自体がサステナビリティ(持続可能性)やアニマルウェルフェア(動物福祉)への投票に繋がると思うから、僕は多少高い値段でも十分価値があると思っている。

 

ネットでは、東京の方や愛知などの遠方の方がわざわざ買ってくれるし、定期購入してくださってる方の中にも、これまで卵食べれなかったけど、素ヱコ農園の卵は食べれるからと言ってくださる方もいる。

 

とにかく食べてもらったらその違いがわかる。

 

でも、他の卵と比べたら値段が高いから、普通の卵と並べた時に、なかなか手が伸びにくいのではないかなと思っていた。

 

だから、自分の手で売らないと、どこか安心できなかった。

 

それだと自分の手の届く範囲しか買ってくれないことになる。

 

買い手にも、手軽にお店で買えないことは負担になっていたと思う。

 

自分の手が届かない方に届けるためにも、いろんな方と協力してやっていかないといけないなと思い、スーパーでの出品することになった。

 

 

初日の売り上げは以下の通りだった。

【脇田店】

購入数5点 合計1940円

【有田店】
購入数2点  合計776円

【六仙寺店】
購入数2点 合計 776円

 

この結果を見て、やはり売るのは大変だなと思った。

 

お客さんが書いて慣れるまでには半年ぐらいかかるとどこかで聞いたので、今後も継続して、卵置いて結果を見てみたい。

 

 

インスタで、スーパーで、うちの卵買えて嬉しいと、書いてあって嬉しかった。

 

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ブログを書きながら、自分の手で売らないと安心できないと言った自分に対して思ったことは、

 

もし、自分の手で売らないと安心できないのなら、自分の手でより多くの人に売ることを考えろよ!

 

だ。

 

いろんな方と協力しつつ、個人の力もつけないといけないなと思った。

入籍

本日、美和さんと入籍いたしました。

 

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出会った頃から、とても気が合うなと思っていました。

はじめてのデートは、農場でゴミになっている鉄をひたすら切るという謎のデートでした。

そのあと、鉄を切ったお金で一緒に鍋をしたのを記憶してます。

 

 

仕事立ち上げたばかりで、収入も休みもほとんどなく、とても不安定な僕なのに、寄り添ってくれる素敵な方です。

今の僕について来てくれる人は、美和さんぐらいしかいないんじゃないかなと思います。

信じてくれる彼女を裏切らないためにも、コツコツとやるべきことをやって良い方向に持っていきます。

 

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皆様、結婚し、ますます気合いが入っている松本を今後とも、よろしくお願いします。

 

 

じいちゃんとは、もう

じいちゃんが帰らぬ人となった。

 

3日前に葬式があった。

 

85年の命だった。

 

じいちゃんは、母方のじいちゃんで、小学校卒業するまで一緒に住んでいた。

 

僕は中学生になってから隣の市の父方のばあちゃんのところに引っ越しした。

 

引っ越したことで、住むところは離れたけれども、じいちゃんのところには頻繁に会いに行っていた。

 

 

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じいちゃんは、海の男だった。

 

唐津の湊(みなと)という港町の漁師の家に生まれた。

 

じいちゃんは、県の職員で、警備船に乗っていた。

 

危険なこともあったらしく、中でも、北朝鮮に捕虜になった人を迎えに行く仕事は聞いててドキドキした。

 

命がけで、北朝鮮の湾の中へ、船で迎えに行ったらしい。

 

また、じいちゃんは小さいころに戦争経験してて、そのころの話をよくしてくれていた。

 

海に居たら、戦闘機が飛んできて、船の影に隠れて身を潜めた話とか、ご飯がなくて、芋ばかり食べていた話とか。

 

北朝鮮に行った話や戦争に行った話など、じいちゃんの話はいつも臨場感があって、聞いてて楽しかった。

 

じいちゃんは、真面目で几帳面な性格だった。

 

 

車のガソリンは常に満タンで、布団のちょっとした歪みも嫌がる人だった。

 

趣味という趣味は、じいちゃんには、ほとんど何もなかった。

 

強いて言えば、競艇の結果が載ったチラシを毎週眺めていたことぐらいかな。

 

その分、ばあちゃんを誰よりも愛していた。

 

じいちゃんとばあちゃんは、買い物に行く時も、寝る時も、いっつも一緒にいた。

 

オシドリ夫婦とはじいちゃんとばあちゃんのような人たちのことを言うのだと思う。

 

 

 

ばあちゃんは、昨年、脳出血を起こして、記憶が無くなってしまった。

 

コロナのせいで、ばあちゃんになかなか会いに行けなかった。

 

じいちゃんは、僕と一緒に、ばあちゃんの病院へリモート面会に行って

 

「てるこ〜(ばあちゃんの名前)!てるこ〜!」

 

と満面の笑みを浮かべて、全力で手を振っていた。

 

 

唯一の支えだったばあちゃんと離れ離れになったことで一気に弱っていくように見えた。

 

そして、今年の3月にガンがあることがわかった。

 

それから、どんどん容態が悪くなり、1ヶ月ちょっとで帰らぬ人となってしまった。

 

 

緩和ケアに移って3日目、じいちゃんの姿を見に病院に行った。

 

コロナの影響で病院に入れなかった。

 

外からじいちゃんを見た。

 

じいちゃんの吸う一呼吸、一呼吸がマイナス30度の冷気を吸うかの如く、とても痛そう苦しそうで、見ていてとても辛かった。

 

そんな中でも、笑いながら、僕に話しかけてくれた。

 

じいちゃんは家族に優しく、家族からも慕われていた。

 

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じいちゃんともう会えないということがまだ信じられない。

 

現実を受け入れれてない自分がいる。

 

 

じいちゃんは、カッコよく、優しい人だった。

 

笑顔が思い浮かぶ。

 

寂しい。

スーパーでの出品

「現在、生産者の直売コーナーでは、新たな生産者の受け入れをやっていません。詳しくは本部に問い合わせてください」

 

 

 

伊万里にあるスーパーのまつばやには生産者の直売コーナーがある。

 

 

 

ということで、スーパーに行き、直売について店員さんに話かけてみることにした。

 

「すみません。伊万里の黒川町で卵を生産しているものです。お店の直売所コーナーで卵の出品をするにはどうしたらいいですか?」

 

すると、

 

「現在、生産者の直売コーナーでは、新たな生産者の受け入れをやっていません。詳しくは本部に問い合わせてください」

 

と言われた。

 

 

農家は高齢化し、年々減少しているという割に、農業を始めるにはなかなか厳しい社会だなと、現場でやっていると思う。

 

でもここで、はい、そうですか。

 

と帰る訳には行かなかったので、店員さんが言っていたように、本部に連絡することにした。

 

ホームページで『まつばや』と検索して、まつばやのWebページの問い合わせページから、直売所について連絡した。

 

こういう問い合わせの連絡って見てるのかな?正直ちょっと不安だった。

 

すると、数日後、まつばやの本店から電話がかかってきた。

 

一度面会したいということで、佐世保の本店に行くことになった。

 

 

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学生時代、営業のアルバイトやインターンなどで企業訪問はやっていたので、一通りの営業活動はやったことがあったが、自分の商品を持って挨拶するのは少し緊張した。

 

 

 

 

結論から言うと、そのスーパーで、うちの卵を扱ってもらうことになった。

 

担当の方々は、クラウドファンディングやブログなどで、僕のことをちゃんと調べてくださっていた。

 

「こういう活動をやられていることに感動しました。ぜひ、うちとしてもこういう応援させてもらいたいです」

 

と言ってくださった。

 

サンプルとして卵を持ってきていたが、商品のパッケージなども絶賛してくださった。

 

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これもクラウドファンディングで支援してくださった方がデザインしてくださったものだ。

 

クラウドファンディングやブログなどで活動を残していてよかった。

 

 

 

ということで、スーパーでうちの卵の扱いが決まった。

 

新たな卵を受け付けないと話だったのに、特例で出品認めてもらい、本当にありがとうございます。

 

そのあと、Instagramで、出品することを報告したら、知らない方々がたくさんDMしてくださった。

 

ありがとうございます。

 

美味しくて生命力溢れる卵を出して行こうと思います。

 

 

 

直売所とのやりとりで

電話がかかってきた。

 

隣の市の直売所からだ。

 

そこの直売所は車の出入りが多く、卵を出品するにはちょうど良さそうだと知り合いが言っていた。

 

問い合わせしてみると、担当者がおらず、折り返し連絡します、ということで連絡を待っていた。

 

 

そして、その直売所から連絡が来た。

 

「この直売所は地元密着をうたっており、×市のものしか取り扱わないことになってるので、今回はお断りさせてください」

 

納得した。

 

そして、地元の直売所に対して、怒りが込み上げてきた。

 

 

 

 

少し前に、地元の直売所に、卵を出品したいという旨を伝えに訪問したら、

 

「もう卵はあるから」

とか

「役員会にかけないと何とも言えないので」

 

みたいな対応で、結構あっさり話が終わった。

 

 

もし、僕が逆の立場で、直売所の人間で、出品を検討している人が来たら、

 

・出品したいものについて話を聞く

・直売所のコンセプトを説明する

・条件面を説明する

・役員会があるのなら、その日付を説明する

・その役員で承認される確率がどの程度なのかも説明する

 

じゃないと、見通しが全く立たない。

 

役員会って聞いても、こっちはそれがどれ程のものかわからないし、いつあるかわからないし、不安だけが募る。

 

僕が出品することで仕事が増えるのは分かるし、別に僕が出品したからって給料が増えるわけじゃないと思うから、現場の方がそういう対応になる気持ちは痛いほどわかる。

 

 

 

でも、地元じゃないところからは、地元の生産者しか受け付けておりません。

という断られ方をして、

 

地元の販売所にはあんまり良い反応もらえなくて、

 

なんかやるせなくなった。

 

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僕は一体どこに行けばいいのか。

 

 

 

 

そして、

 

 

「よし、JA本部にクレームを言おう」

 

と思った。

 

 

でも、数秒後、

 

「いや、ここでクレームを言うのはもったいない。

せっかく偉い人と話すのなら、普通に事情をせつめして、交渉したらいいじゃん」

 

と気持ちが変わった。

 

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早速、ネットで調べて、JA本部に電話をかけて、直売所の責任者に繋げてもらった。

 

 

結論からいうと、責任者の方はとても親切に話を聞いてくださった。

 

・直売所について(どこにあって、どうしたら出品できるか?など)

・条件面(手数料や会費がどれぐらいか?など)

・役員会について(誰がいて、いつあるか?など)

・他の商品と自分の商品についての違い

 

など、自分が聞きたかった話は全部聞けた。

 

そして、その方から現場の店長ら役員会の他にも働きかけてくださることになった。

 

本当にありがとうございます。

 

親切な方に出会えてよかったです。

 

ラッキーでした。

 

 

 

今回の出来事で、交渉では、誰にその話をするか?で全然答えが変わってくるということを学んだ。

 

 

もし、壁があった場合は、ど真面目に壁を壊そうとするのではなく、いろんな角度からその壁を通れる場所を探すといいんじゃないかなって思った日だった。