農家として、どんな強みを出すか?
本間さんと一緒に過ごしていたら、そんなことを考えさせられる。
本間さんは、自分で何でもやる方だ。
どういうことかというと、溶接技術や建築の技術を駆使して、自分で何でも作っちゃう。
この鶏舎も自分で建てたらしい。
お金を借りる時に、銀行の人から
「この値段で、畜産やれるんですか?」
って、凄くビックリされたそうだ。
それぐらい、お金をかけずに、自分で何でもやるから、経営的に大失敗しないんだろうなと思う。
たまに、自分でやれない込み入った作業も、もちろんあるみたいだけど、そんな時は、業者をちゃんと呼んで、横でしっかり作業を見て、技術を盗んでいる。
「勉強代だよね。これで次から大丈夫」
とニコニコ。
このしたたかさ、流石だなと思う。
本間さんを見ていて、自分でなんでもやれるというところに、本間農園の経営の強さを感じる。
これは、前職で、いろんな経験を積まれてるからなんだろう。
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農家にも、いろんなタイプがある。
栽培が得意な人、マーケティングが得意な人、巻き込むのが得意な人。
こういうのは、本人の性格に加えて、前職での経験がかなりの部分を占めると思う。
その、農業プラスアルファの部分が、その農家の色となり、差別化することにつながり、競争優位性になる。
前職の経験をどう農業に転用できるかといのが、ひとつ勝負の分かれ目な気がする。
さて、僕はどうだろうか?
僕は、新卒だ。
強みは、ないのかもしれない。
でも、一応、学生時代、営業を2年やってたし、イベントの企画はずっとやってた。
そして、好奇心が強くて、旅好きで、15か国ぐらい行った。
この辺の性格をどう農業に転用できるか?というのが、課題だ。
それに加えて、前職の経験が無いからこそ、この農業を通して、いろんな経験を積んでいないといけない。
「やったことない。わからない」
は寧ろチャンスで、それは、ちょっと時間がかかっても、うまくやれなくても、やった方がいい。
その経験が血肉になるはずだ。
本間さんを見てて、この圧倒的な経験値の差は、埋めれないと思った。
そして、簡単に埋めれないからこそ、近道せずに、一つ一つ失敗しながら、やっていこうと思った。
以前、クラウドファンディングで、資金調達し、小屋を改装したらしい。
いま、僕はその小屋で寝ている。
集めたお金は材料費で、建設は自分でやったらしい。
クラウドファンディングの話もいろいろ聞いたので、これはまた別の機会で書いてみたい。
本間さんは、全てを、良い経験と言って、挑戦することを常に続けている。
前職の経験が無く、強みがないからこそ、分からないことに思いっきり飛び込もうと思った。
僕に守るものなんてない。
進むのみだ。