養鶏場の周りを歩いていると、「フォンフォン」と低い鳴き声とともに「カサカサッ」と草木が揺れた。
「獣だな」
そう思い、罠を仕掛けることにした。
養鶏場の周りは山に囲まれているので、いろんな獣がいる。
昨年なんか養鶏場だけで猪5頭捕まえた。
最近だとキツネも捕まえた。
箱罠を仕掛けた。
箱罠は簡単だ。
餌を箱罠の中に入れて、その前に糸を張る。
獣が罠の中に入り、その糸を動かすと扉がバンと閉まるという仕組みになっている。
箱罠は5万〜10万円ぐらいの値段がする。
僕は罠を3つ持っているので、養鶏場の周りにそれらを設置した。
さて、どうなるか。
次の日の朝。
なんと一つの罠の中に6頭のウリ坊が入っていた。
そして、その2日後、もう2つの罠にそれぞれ2頭と3頭ウリ坊が入っていた。
3日で11頭も捕獲した。
養鶏場の周りだけで。
おそらくもっといると思う。
捕獲するのはかわいそうだなと思うけど、捕獲しないと養鶏場は荒らされてしまうし、田んぼもメチャクチャになってしまう。
地域の人たちからも田んぼが荒らされるから、ぜひお願いということで言われている。
そういえば、先々週うちの父は猪に車を凹まされていた。
猪も生きるために必死だし、こっちも生きるために必死だ。
田舎にいると、野生との戦いもしなければならない。
こんな暮らしは3年前は想像していなかった。
鶏も飼ってるし、狩りもするし、命と近い暮らしをしているなと思い、緊張感がます。