社員の田中くんと一緒に鶏を捌きました。
田中くんが鶏を捌くのは初めてです。
「俺、もう鶏肉食えんくなるかもしれん」
緊張した面持ちで、生きた鶏をロープに縛る田中くん。
田中くんは、元保育士で人一倍優しい性格です。
飼い主として、毎日お世話して可愛がってる鶏を捌くことは辛かったと思います。
同時に命と向き合うことへの自覚や覚悟もあるように見えました。
手を合わせてから、ナイフを鶏に刺して、口から滴る血を静かに眺めてました。
鶏をナイフを入れると、血がポタポタ落ちて、徐々に力が無くなっていきます。
数分間血を垂らした後、静かになったかなと思ったときに、バタバタと暴れます。
その様子は、最後の最後で命が叫んでいるようでした。
血が落ちなくなり静かになったら60度ぐらいのお湯に入れて羽毛をむしります。
羽毛をむしると鶏から肉になります。
毎回思うのですが、この感覚は不思議です。
田中くんのSNSです。
今はなんでも効率化・細分化され、僕らは普段の食や生活では命を感じなくなりました。
でも、僕らの生活はいろんな犠牲の上で成り立ってます。
そのことに目を背けるのではなく、その事実に向き合って生活すると謙虚になれるような気がします。
命に近い仕事をしている我々だからこそ、何か伝えられることがあるかも知れませんね。