何気なく聞いた言葉というのは意外と頭に残っている。
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学生時代に、ある人の車に乗っていた時に、
「もし、農業をするなら、どうするか?」
という話になった。
その人は、「なるだけ初期投資を抑えてスタートする」と言っていた。
何気なく聞いた言葉というのは意外と頭に残っている。
その数年後、僕は農業をスタートした。
そして、その言葉が強く残っていた。
「なるだけ初期投資を抑えてスタートする」
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本格的に卵の販売を始めたのは、今年の4月からだが、鶏を飼い始めた時は、昨年の9月から。
鶏のお世話を始めて、ちょうど一年ぐらいになる。
通常、養鶏を始めるとなると、結構な費用がかかる。
鶏を育てたことも商売の経験もなく、何もかもはじめてのなか、うまくいくかわからなかったというのもあるが、
「なるだけ初期投資を抑えてスタートする」
という言葉が脳裏の片隅にあった。
お金をかけずに小さくスタートした。
鶏にとっては広々とした気持ちの良い空間を作って、作業者にとっては最小限の機能だけで。
必要なものは、なるだけ自分でyoutubeや雑誌などをみながら作った。
それまでほとんどノコギリも持ったことなかったから、出来栄えはなかなか悪かった。
そんな感じで、必要な部分を足して足して、バタバタしてるうちに一年が経った。
おかげさまで、卵はこだわった分、人気が出てきて、今、卵は全く足りない状況だ。
ここ3週間ぐらいスーパーや直売店に全く卸せてない。
何件か問い合わせがあった。
スーパーや直売所に卸すのはもうちょい先になりそうです。申し訳ありません。
ありがたいことに定期購入をしてくださる方もどんどん増えている。
定期購入をしたいと、今日も1人電話があったし、昨日も2人から連絡があった。
販売の方は今のところ順調だ。
ただ、初期投資をあまりせず、最低限の設備の中、作業をしていたため、普段の仕事で、非効率なところがかなりある。
今後は、仕事のしやすさを追求しないといけない。
次の課題は、仕事をしやすくすること。
若い人を雇いたいと思っている。
その人が働きたいと思えるような場所を作らないといけない。
その基準で考えると、今の作業者にとって、最低限の場所である養鶏場は大きく変革しないといけない。
最初から人を雇って、ドカーンと、大きくするやり方をしていたら、こんな苦労はなかっただろう。
僕はそんな勇気を持てなかった。
でも、ちょっとずつちょっとずつ進んできて、もう少し頑張れば人を雇えるんじゃないかなって思えてきた。
明日も、養鶏場の整備やるぞ。