素ヱコ農園の日々

佐賀県伊万里市で便利になった世の中で、手間のかかるストレスフリーの平飼いで外国産の餌に頼らないこだわりの餌作りを行っています。

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これはいかんばい

いつものように豆腐屋さんに行き、大量のオカラを軽トラに積んで養鶏場に行くと、見慣れた白い軽バンが止まっていた。

 

「どがんしよるか、気になったけん、来たばい」

 

ヘルメットを被ったその下の顔は笑顔で、軽やかな足取りでこちらに歩み寄る。

 

金吾さんだ。

 

そして、その笑顔のまま「これはいかんばい」と、養鶏場の前に置いてある4つの固まりを指差し。

 

先日、鶏の餌用に佐賀県産の4トンの麦を買った。

 

麦は1トンずつ袋に入っている。

 

1トンは軽トラではとても運べない。

 

4トンのトラックを借りて、ユニックで運んだ。

 

初めてで、予想以上の重さでユニックでも全く動かすことができなかったので、道端に置いた。

 

その道端に置いている麦の固まりをみて、金吾さんは、「これはいかん」と。

 

金吾さんいはく、地面から水分が上がってくるので、こういう乾燥させるものは、何か下に敷いておかないといけないらしい。

 

僕はそういう基本的なことすら、知らなかった。

 

知らないとダメなことを平気でやってしまう。

 

 

「でも、どうやって、この重いのを動かすのですか?」

 

「うちの小屋にあるから、おいで」

 

とそのまま僕の軽トラに金吾さんを乗せて金吾さんの小屋へ。

 

金吾さんの小屋はすごい。

 

三階建てで、いろんな道具がある。いつの時代に使っていたのかわからないような千歯こきや鬼のお面など。

 

金吾さんはチェーンブロックと三脚を持って小屋から出てきた。

 

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養鶏場に戻って作業に取り掛かった。

 

ちょうど日差しも出てきて、かなり暑かったのに、金吾さんは休むことなく、1トンの麦をチェーンブロックを使って持ち上げて、その下に木の板を敷いた。

 

75歳には思えない足取りと腕っぷしの強さだった。

 

 

金吾さんは「若者の支援をする」と言って、今バナナの苗を売っている。結構な量。しかも、全部SNSを利用して手売りしている。

 

そして、その金で、僕もいろいろとお世話になってるし、九大の学生が黒川に来る時のレンタカー代などを払ってるらしい。

 

めちゃくちゃカッコいいなと思う。

 

 

「もし、俺が死んでも、財産は引き継ぎたくない。も、でも、考え方や心構えは引き継ぎたい。考え方には無限の価値がある」

 

と道中で話をされていた。

 

 

こういう考え方や知恵を受け継ぎたいなと強く思った。

 

 

自分の周りには素晴らしい方々がたくさんいて、その方々から学ぶことが限りなくあるなと思う。

 

近くに素晴らしい方々がいて、本当に感謝です。