焚き火をするため、薪を椿作業所にもらいに行った。
椿作業所は、僕が農業をやっている地区にある障害福祉サービス事業所だ。
農業を始めた当初からお世話になっていて、ユンボを持ってきて木の抜根を手伝ってくださったり、卵ができ始めた時も、大量に注文してくださった。
いつもいろいろ心配してくださる。
今日も、薪をもらいに行ったら、
「うまく行っとるか?」
と心配してくださる。
「あなたのところの卵は、白身がぷくっとしてて、殻が硬くて、黄身が濃いよね。生で食べれる。子供が喜んで食べるよ。」
こういう声をいただくのが1番嬉しい。
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「いりこの知り合いおるけど、紹介しようか?」
「お願いします」
「仕事終わったから、今からそこに行こうか?俺の後ろついて来て」
そう言って、車で20分ぐらい離れた福島のいりこ屋さんまでわざわざ連れて行ってくださった。
「うちの施設で、卵拭いたり選別して、手伝っているところの養鶏場。いりこクズば分けてもらえんかな?」
交渉してくださった。
そして、いりこクズを分けてもらえるようになった。
本当にありがたい。
さらっと書いたが、今後、卵が増えてきたら、卵の選別作業は、椿作業所の方々に手伝ってもらうことを相談した。
すると、快くOKしてくださった。
福祉と農業を掛け合わせた農福連携は、ずーっとやりたかった一つの形だが、その一歩ができそう。
僕がいたオランダでは、ケアファームというものが発達していて、農業と福祉がうまく相乗効果を出していた。
農作物を作るだけが価値ではなく、農業をやっていること自体が価値になるんだなとオランダで学んだ。
僕も広い視野で農業をやっていること自体をコンテンツにしたいな。
そのためには、いろんな方ともっと関わって、多様な視点を持たないといけない。
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電話がかかってきた。
山本さんからだった。
養鶏場に来て、イノシシのための電気牧柵を張ってくださった。
山本さんはいつも鶏が食べるための葉っぱを持ってきてくれる。
それ以外にも、いつも気を遣ってくださってる。
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池田さんは、素ヱコ農園のスタンプや封筒、名刺を作ってくださって、要らない領収書とかもくれた。
めちゃくちゃ可愛い。
「女性はこういうの喜ぶから」って。
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大崎さんは、営業するからと卵を何パックかもっていってくれた。
大崎さんもいっつも気にかけてくださってて、平日も電話してきてくれたりする。
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今日紹介した人は全て、今日会った人たち。
本当に本当にいろんな方に支えられている。
僕一人だと何もできないんだろうな。
感謝しかない。
僕も価値を作れる人になりたい。
人を助けれる人になりたい。
「白身がぷくっとしてて、殻が硬くて、黄身が濃い」
お客様にそう言ってもらえているこの卵の味をずっとこれからも保たないといけない。
量よりも質で。
いろんな方に支えられているからこそ、目の前のことひとつひとつに丁寧にやっていきたい。