「ねえねえ、蛇口はどこ?」
「ごめん、蛇口なかとよね」
手伝いに来てくれた人とよくする会話だ。
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うちの養鶏場は、水が通ってない。
雨水を溜めたり、小川の水を使っている。
そうそう、電気もない。
すごく原始的。
今の時代、電気も水もなくやれるって、逆にすごいことじゃないかなって思ってる。
このやり方でやってると、どこでもやっていける気がしてくる。
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これまでは、鶏の数がそんなになかったので、水が無くても電気がなくても、やっていけてたけど、今後、鶏の数をもうちょい増やしたいなと考えている。
そうなると、今のままじゃ足りない。
今後の展開や作業の効率化を考えると、お金がかかったとしても、井戸を掘ったがいいなと思ったので、調べてみることに。
井戸掘りは、水脈の関係もあり、地元の業者に頼んだ方がいいと聞いた。
ネットで見つけた伊万里の企業に電話すると、今はやってない、と断られた。
ネットで井戸掘りをやってる業者について調べても、なかなか出てこない。
農業やってて知ったことは、日常的に使わないような製品やサービスはなかなかネットにはあまり載ってないということ。
今、餌を混ぜるための撹拌器を中古で探しているが、その情報もネットになかなか載っていない。
これも早く手に入れなくては。
地元に根差して事業を行なっているところは、人伝に探すしかないんだなって思う。
知り合いに水道周りの会社があったので、尋ねてみると、隣の市のある会社を教えてくれた。
その会社曰く、伊万里は、さく井やってるところほとんも無いらしい。
近くに、水脈わかる人いなかった。。
気を取り直して、隣の市にある教えてもらった××ボーリングという会社に電話すると、
「うち、井戸やってないです。そのボーリングじゃ無いんですよね。エンジンのボーリングです」
他にもハウスを建てている業者に電話したり、農家さんに聞いてみたり、、
なかなか見つからない。
ある建設会社に電話して、やっと一つ会社を紹介してもらえた。
その会社の社長さんがうちの農場に来て、周りの地形を見るなり、
「この辺を掘った方がいいでしょう。50メートルもいかないと思います」
長年の経験から来る目利きなのだろうか、ここを掘れば出ると、言われてた。
「金額どれくらいですか?」
「1メートル1万5千円です」
プラスで、水を汲み上げる機械とかも必要になる。
とりあえず、見積もりを作ってもらって、出来たらあと何社か話聞いてみたいなって思っている。
誰か知り合いいませんか?
電気もやらなくては。