お世話になった大学の渡邉教授が、伊万里まで来てくれた。
渡邉教授とは、大学一年生の時からの付き合いだ。
大学一年生で、なにかをしたくてしたくて、たまらなくて、悶々としてたとき。
当時、学部長だった教授の元へ、アポを取って、話をしに行った。
「なんかしたいです」
確か、当時の自分は、金髪だったと思う。
今思うと、特に何の用事もなく、学部の1番偉い人のところに、会いにいくって、相当なことだ。
ただ、それぐらい乾いてた。
必死だった。
渡邉先生は、優しく話を聞いてくださって、OPTIMという東証一部のベンチャー企業を紹介してくださり、そこで一年半ぐらい働いた。
オランダに留学してたときも、会いに来てくださった。
ご馳走になったワインは、本当に美味しかった。
研究室も渡邉先生の研究室に入った。
文章を書いてて、思ったけど、
大学生の時の、自分は、乾いてた。
何かしたくて、何かしたくて。
とにかくいろんな人に会いまくって話聞いてたし、いろんなところに行ってたし、何の躊躇もなかった。
痛いやつだった気がする。
その渇きがあったから、入学する前では、想像もしてなかったほど、充実した学生生活を過ごせたんだと思う。
めちゃくちゃいろんなところに顔出してたので、生命機能科という研究室で白衣着て研究する学科にいたといことに、よく驚かれていた。
でも、この学科でよかったなと思う。
生命機能科という学科は、農業と直接的には関係なく、もっとミクロな小さい話を勉強する学問だが、農業でリンクしてくるから、面白い。
大学で学んだことが結構、応用効きそうだ。
渡邉教授と話をしてて、いろいろアイデアをいただいた。
ただ、自分の力が及んでなくて、そのアイデアをすぐに実行できないことが悔しい。
というか、毎日、そんな悔しさでいっぱいだ。
いろんな人が、本当にたくさんいろんなアイデアを教えてくれる。
ただ、農家として、基本の「作る」ということが、全然できてないから、かなり遠い話になる。
みんなから、いただくアイデアは、作った後の話だ。
野菜を「作る」ということ。
ここにしっかり向き合っていきたいかな、まずは。
まだ何の実績もあげてないけど、こうやって気にかけてくださる方が周りにいることが本当に感謝だ。
そういう方々のためにも、できること全部やろうと思う。
気づけば、「なんかしたい」から「無農薬でおいしい農作物作りたい」っていう風に、渇き方が変わってた。