農園の名前を決めた。
名前をつけることは、すごく大事なことだと思う。
名前をつけることで、そこに意味が生まれる。
農業を始めて、2ヶ月ぐらいたった。
大学卒業して、2ヶ月か。
世間的の人からしたら、本当にペーペーだ。
ばあちゃんの農業を完璧にそのまま引き継いでも後がない。
それはやる前からだいたい分かっていた。
だから、この2ヶ月、ばあちゃんの手伝いをしながら、別に色々自分で模索してみた。
自分でやることを作る、という作業は、苦しいけど、なかなか楽しい。
まず小さくやってみて、それから、どうなるか。
外の結果もそうだし、やってみた結果、自分の内側の感情の動きにも注意していた。
この心の微妙な揺れを、実践の中で、観察して、どこに自分がワクワクして、どこに乗り気じゃなくなるのかってのが、分かった気がする。
その中で、自分がやりたいなという方向性がぼんやりだけ見えてきた。
だから、このタイミングで、農園の名前を付けようと思う。
「なんで、農業してるんですか?」
ってよく聞かれる。
この質問、うまく答えれた試しがない。
いくつか理由がある。
①ばあちゃんが農家②田舎に住んでいた③農業は必要な産業④儲けるのが難しい
この辺の掛け算な気がする。
既にめちゃめちゃ成功していたら、多分、僕は違う道を選んでいたと思う。
田舎で暮らさなかったら、多分、僕は違う道を選んでいたと思う。
社会にとって意味がないことだったら、僕は違う道を選んでいたと思う。
そして、ばあちゃんが農業していなかったら、僕は違う道を選んでいたと思う。
どれも大切な条件で、どれか一つという理由じゃない。
多分、簡単にしようと思えば、簡単にカッコよく理由は伝えれるけど、あえて言語化しなくてもいいと思う。
そうそう、僕のばあちゃんは、スエコという名前だ。
末っ子になりそうだから、スエコと名付けられたらしい(なんと、単純な)
スエコがいなかったら、間違いなく農業してないだろう。
そして、オランダ・パラオに滞在している時に、経済成長を追い求めても、人は豊になれないんだろうなって心の底から思った。(この話はまた後ほど)
まだ20数年しか生きてないが、自分のこれまでと、自分の思想と成したい社会、それを全部乗っけた名前。
そんな名前を付けようと思ったら、こうなった。
<<素ヱコ農園>>
経済合理性を追い求めると、全て画一化され、世界が同じ色になり、一つ一つの個性は埋没してしまう。
本当は、一つ一つ意味があって、この世に存在している。
その一つ一つの個性が、素のままで、世の中に価値を発揮できたらいいなと思う。
そして、途切れることなく、一つ一つが役割を全うして、循環していくという仕組みを作りたい。。
一つ一つの個性を最大限に発揮し、その連鎖が未来につながる社会を作る。
そういう意味を込めて素ヱコ農園に決めた。
具体的に、サステナビリティを考えた農業(有機農業やアニマルウェルフェア)や、耕作放棄地の利用、また、ハンディキャップを持つ方が農業を通して働ける環境づくりなど。
いろいろとやりたいことはあるが、ゆっくり急いで、一つずつやっていこうと思う。
素ヱコ農園をよろしくお願いします。