「これ、時間かかりそうやな」
ばあちゃんは一反ちょっとあるハウスを一人で管理している。
10年ほど前にじいちゃんが死んでしまってからずっと。
じいちゃんとばあちゃんはこのハウスで水菜を作っていた。
じいちゃんがいた時は、色々工夫して、ハウスを管理して野菜を作っていたが、ばあちゃんは農業の知識はほとんどない。
ばあちゃんはじいちゃんが残した水菜のノウハウとハウスでその作業をずっと守り続けていた。
ただ、どうしても、ばあちゃんだけじゃ、この広いところを管理できない。
化学肥料に頼ることが多く、また、畝も10年前からいじってない。
土はカチカチになり、畝のよこは白くなっている。
これは、おそらく塩類集積だと思う。
肥料のやりすぎで、こうなったと考えられる。
昨日は暑く、昼前には水菜が萎れていた。
暑い時は、いつもしおれる。
わからないけど、塩類集積の一つの症状として、日中にしおれるということがあるらしい。
この土を健康なものにするには結構な時間がかかりそうだなって思う。
解決策は、大きく三つあるとある記事に書いてあった。
集積した塩類を除去する除塩法として、まず耕種的な方法を２つ紹介します。ひとつは窒素が多く残っている場合に有効な未分解有機物の投入です。通常、稲わらや麦わらなどＣ／Ｎ比が高い有機物は作物が利用可能な土壌中の窒素を低下させるため避けるよう指導されますが、窒素濃度が高すぎる場合には濃度低下に利用できます。Ｃ／Ｎ比とは窒素に対する炭素の量のことで、Ｃ／Ｎ比の高い有機物が施用されると分解微生物が増殖しその栄養分として窒素を取り込むため、作物が利用可能な窒素が減少することになります。有機物にはカリウムなど他の成分も含むため、過剰にならないよう土壌分析により的確に使用しましょう。
もうひとつは余分な栄養分を植物に吸収させる方法です。このような植物をクリーニングクロップとよび、吸収旺盛なイネ科のソルゴーなどの牧草や、生育の早いマメ科作物（クロタラリア）などが使用されます。重要なことは、塩類集積した圃場で生育させたあとはキレイに刈り取って全て外に持ち出すことです。例えばソルゴーを３ヶ月生育させると、ＥＣが1.0mS/cmだったものが問題のないといわれる0.5 mS/cmまで半減した報告があります。ただこれも次作のために施肥する場合は、必ず土壌分析をして成分のバランスや過不足を確認して必要量を見極める必要があります。
さらに強制的に塩類を排除するには、天地返しや深耕が効果的です。例えばバックホーなど特殊機械を利用し、0〜30cmまでと30〜60cmの土層を入れ替えることができ、結果的に60cmの深耕ができます。ただ30〜60cmの下層は上層に比べほとんど肥料成分がない状態であり、またｐＨが大きく異なるなど、これまでと同様の土壌管理や肥培管理では全くうまくいかないケースがあるので慎重にすすめましょう。また塩類集積した土層をはぎ取って、圃場外に持ち出し、新たに素性のわかっている良質な土壌を入れる方法もあります（排土と客土）。これらはいずれも土木工事となり大きなコストや労力がかかりますが、抜本的な対策としては非常に有効です。
色々試してみようと思う。
結構ひどい状態だけど、逆に面白いなと思った。
幸い僕が育てようと思っているものは、栽培期間がめちゃめちゃ早いので、たくさんの失敗ができる。
この土壌で、どんな作物が育つか。
また、他に農地を借りる予定なので、そこでは、どんな作物が育つか違いを追ってみたい。
とにかく実験だ。
たくさん失敗してサンプルを増やしたい。
＊
さて、午後から、近所に引越しの挨拶をした。
こんなにビールを買ったのは、はじめてだ。笑
失礼ながら、僕は地域の人の顔と名前を覚えてないし、性格もわからない。
だから、一軒一軒挨拶することにした。
ばあちゃんにはそんなする人はいないから、って止められたけど、これから、ずーっとお世話になるから、最初だけでもしっかりと挨拶したいと思った。
これが意外に良くて、一人一人としっかり話せて、アドバイスくれる人や激励してくれる人、ばあちゃんのこと話す人など、反応もそれぞれ違ったので、性格もだいたいわかったし、今後会った時、話しやすいなって思った。
今日は、市役所に行く。
資金繰りをなんとかせねば。。
やること多いし、そもそも儲けてないところを継ぐから、きっと大変だけど、助けてくれる人も多いし、自分次第でなんとかなると思う。
ただ、時間はかかる。
とにかく辛抱強く、頭をフル回転させて毎日、楽しく笑顔で。
