佐賀の新米農家、ど田舎から

佐賀の新米農家です。日々、気づいたことを日記としてかけたらいいなと思ってます。

野菜は味以外も、商品だ。そして、それは非常に面倒臭い。

「はい、もう終わったと思いました。その話を聞いた瞬間に」

 

研修先の農家、真野さんは嬉しそうに、僕にそう話してくれた。

 

僕は、愛知県の最南端の南知多半島にあるミーというマイクロリーフとエディブルフラワーの農家で研修をしている。

4月から、佐賀の伊万里というところで、農業をするため。

このブログではその研修を通じて、考えたことや学んだことを日記として毎日書いていきたい。

 

昨日も、農場に訪問者が来た。

 

二日連続で。

 

昨日と違って、スーツを来て、身なりもちゃんとした人たちが複数人来ていた。

 

その方々は、有名なホテルの支配人や料理長で、今度、銀座にお店を構えるらしい。

 

卸の人が、視察ということで、その方々を農場まで連れてきた。

 

ちなみに、研修先の農家は、100%直販(自分で直接やりとり)をやっていない。

 

やっぱり、直販した方が、手数料を引かれなくて済むので、直販を頑張っている農家は多いと思うが、ミー(研修先の農家)の場合は、もちろん直販もあるが、卸ともやり取りする。

 

なぜ、直販にこだわる農家も多い中で、ミーの卸に対する考え方は勉強になった。

 

ミーは、星付きの高級レストランに、野菜を卸している。

 

でも、ミーは、農業を始めて4年の超新参者だ。

 

そのため、どんだけ美味しいもの作ってもやっぱり信頼されない。

それよりもあらゆるいい食材を扱って、素晴らしいレストランと取引している卸の方から、ミーの宣伝をしてもらった方が、いいお客さんに買ってもらいやすいとのこと。

 

そして、そこでミシュランで星をもらっているお客さんに買ってもらうと、それがさらに、宣伝になって、お客さんが増えていく。

 

また、そうやって、卸を通してつながったお客さんが、直接畑に来られることもあるが、それでも、つながったご縁は卸の方のお陰ということで、そのお客さんと直接ではなく、卸を通して、手数料を払って取引するようにしている。

 

そうやって、いただいた縁を大切にするっていうのは、口では簡単に言えると思うけど、お金が絡むことだし、実践されていて、人としてこうあるべきだと思うし、僕も実践したい。

 

話が少し逸れてしまったので、戻ろう。

 

真野さんが、視察に来られたシェフの方々にこんな風に尋ねたシーンがあった。

 

「マイクロリーフって、使ってますか?」

 

「以前使ったことはあるが、日持ちがしなくて、使うのを辞めた」

 

(はい、もう終わった)

 

ミーのマイクロリーフは、生命力と感動を売りにしている。

 

通常、マイクロリーフは2〜3日しか、持たないが、ミーのマイクロリーフは1週間〜10日持つ。

 

この日持ちに関しては、すごく拘っている。

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例えば、収穫してすぐに鮮度が落ちないように保冷パックの中に入れられて、その後も品質が落ちないように、水分や温度管理が徹底されている。

 

また、今後は、もっともっと品質を保つために、すごく高いお金をかけてすごく品質の良い冷蔵庫も取り入れるとのこと。

 

ミーのマイクロリーフは、徹底的に品質に拘っているし、もちろん味も抜群に美味しい。

 

作業をしていて、遠くからシェフの美味しいという声が聞こえてきた。

 

 

今日の出来事を通して、学んだことは、野菜は味以外も商品だということ。

 

お客さんが、マイクロリーフ使いたいけど、日持ちしないから使えない、という悩みがある中で、日持ちをするマイクロリーフが出てきたら、ほぼ間違いなくそれを使うだろう。

 

売れるかどうかは、味だけじゃ無い。

 

種を植えてから、お客さんの手に届くまであらゆることが「商品」になる。

 

今回は、徹底した品質管理が、商品になった瞬間だった。

 

現場で、作業をさせてもらってて、本当にいろんなところに配慮しないといけないから、大変だ。

 

「多くの農家は、めんどくさくて、こんなことできないよ」真野さんは言う。

 

そのめんどくさいことを進んで、できるかどうかが、勝負の分かれ目だと思う。

 

人がやらないめんどくさいことをコツコツとやろう。

 

そう思った1日でした。