南知多に来てから一週間が経った。
あっという間といえばあっという間だとも思うし、長いといえば長い。
毎日毎日、本当に勉強になることばかりですごく楽しい。
ミーの取引先は、殆どが一流のシェフ達だ。
野菜の味はとにかく美味しい。
この栽培管理は、真野さん自身が開発したものが非常に多く、とても勉強になる。
また、栽培以外の部分も、ものすごく気をつかっている。
やはり、最初は、こんなに気を使わないといけないのかってびっくりした。
収穫の時のハサミの切れ味、収穫した野菜を入れる保冷パック、野菜を洗う時の優しい手つき、包装の時の徹底した温度管理などなど。少しでも傷がついちゃったら、価値がゼロになる。
ミーの野菜は、3グラムから販売する。
3グラム。
本当に本当にちょっとの量だ。
この世界で勝負してるのが本当に面白い。
ミーの取引先のシェフ達は、一食何万円もする料理を作っている人たちだ。
これは、ミーに来てから、読んだ本だ。
一流と呼ばれるシェフがどんな思いを持って料理に向き合っているかをイメージしたかったから読んでみた。
道を極めるとはどういうことか。
理想の料理を求めて、徹底的に自分を追い込んで、行動し続けた著者の言葉はどれも血が通ってて、読み進めながら、何度も何度も本に線を引いた。
一流シェフと呼ばれる人たちは、何度も何度も悔しい思いをして、それでも這い上がって高みにたどり着いた人たちだ。
この本は、料理に興味がない人にも強くお勧めしたい。
それぐらい熱くなるものがあったし、自分は何を成し遂げたいんだろうか?そのために本当に本当に100%を尽くしているのか?と自問自答をさせてくれるような強烈なパワーがある。
ちょうど、岡本太郎さんのこの本を読んだ時のことを思い出した。
道を極めた人というのは、きっと同じように強烈に苦労して、徹底的に自分と向き合って、とんでもない恥ずかしい思いをして、それでも、夢を諦めなかった人たちだ。
ミーの野菜は、そんな自分が求めるものをところで使われる食材だ。
そして、ミーの真野さんは、朝から晩まで野菜のことを考えている。そんなアイデアどこから出るんだろうっていう、面白いアイテムやこだわりが農場中に散りばめられている。
誤解を恐れずにいうと、ちょっと狂っていると思う。
真野さんは、自分でも自分のことを変態だという。
だから、一流のシェフ達は、真野さんの野菜を買うんだろう。
机の上に、黄ばんだ色の紙があった。
「日本一のベビーリーフ農家になる」
右も左もわからない農業を始めた時に、書いたそうだ。
そして、その言葉は現実のものになってきている。
なんか、胸が熱くなった。
「俺はどんな日本一になりたいんだろうか?」
考えたみた。
日本一になりたいっていうものはまだない。
でも、今は馬鹿にしたり蔑みの意味を持つ「田舎者」っていう言葉が、褒め言葉や希望を意味する言葉に変えれるような人になりたいなって思う。
そんな感じで、今日もフワフワしております。
松本啓です。