素ヱコ農園の日々

佐賀県伊万里市で便利になった世の中で、手間のかかるストレスフリーの平飼いで外国産の餌に頼らないこだわりの餌作りを行っています。

【友達追加】で お得なクーポン配布中
友だち追加

理念とのギャップ

私たちの会社の理念は、「日本の田舎から人々の価値観を揺さぶる」だ。

 

自分たちが事業をやることで、日本の伊万里から、人々の驚かせたり、感心させたりする事業をやりたいと考えている。

 

その上で、今日の業務は何か?

 

木を切る。

一日中。


f:id:matsumo_saga:20230317222916j:image

という仕事だった。

 

社員の田中も、アルバイトさん3名もひたすら木を切るという仕事をしてもらった。

 

なんのために木を切るのか?

農園までの道を通りやすくするためだ。

 

崇高な理念は掲げてるのに、やってる業務は木をひたすら切って、片づけるだけ。

 

現状会社として、利益も出てないので、少しでも利益に繋がる業務をしたい。  

 

ましてや、人を雇ってるからなおさらだ。

 

それなのに、やってる業務は木を切るという、どんなにやっても1円も生まない仕事だ。

 

利敵を生まない、木を切って道を綺麗にするという仕事、アルバイト雇って、お金と時間を使ってやっている。

 

崇高さのかけらもない地味できつい仕事だ。

 

それでも、やってるのは、通る道が綺麗だということがとても大事だと考えたからだ。

 

道がきれいだと気持ちよく働けると思ったから。

 

気持ちよく働ける環境を作ることがとても大事だと最近よく考えるようになった。

 

自分一人で働くにはどうしても限界がある。

 

周りの力を借りる必要がある。

そのためには良い環境を作らないといけない。

 

ほんとだったら、アルバイトが何人もいるなら、売上向上のための仕事をしてもらいたい。

 

でも、うちは、それ以前の環境整備ができてない会社なんだなと思う。  

 

コツコツやっていくしかない、

 

崇高な理念も、実現していく上では、地味で退屈なことの繰り返しだ。きっと。

 

コツコツやって、一日一日一歩ずつ目標とする姿に近づいていきます。

 

株式会社sueco第二期経営計画発表会

株式会社suecoの第二期経営計画発表会をしました。

 

2.3週間前ぐらいに読んだ本に、経営計画発表会をしたほうが良いと書いてあったので、とりあえずやってみることに。

 

やると決めたものの、経営計画発表会なんて、開いたことも出席したこともなく、どうしようかと考えていました。

 

そんなときに、佐賀県中小企業同友会の平島さんが別の会社の経営計画発表会に参加されている投稿をされてました。

 

「おお、これは!」

 

と思い、早速、平島さんに相談のメッセージ。

 

「発表会?やりぃやりぃ!司会しちゃるよ!」

 

と快く協力してくださることに。

 

取引先の方々も、急な誘いにも関わらず、快く参加してくださり、会をひらくことができました。


f:id:matsumo_saga:20230315220023j:image

 

改めて、社員さんや取引先の方々の前で会社が目指すところを語りました。

 

熱を込めすぎて、途中で、涙しそうになりました。

 

発表を終えて、出し切ったなと思うぐらい全エネルギーを使った一時間弱でした。

 

今回経営計画発表をやってみて、意外だったのは感情の変化です。

 

熱く語りまくったので、終わったあとはハイになってるのかなと思ったのですが、意外と冷静でむしろ不安な気持ちの方が強くなりました。

 

目標とする数字や会社の様子を、多くの人の前で念を込めて語ってしまった。

 

今の自分と、目標とするところの自分のギャップを感じて、今のままじゃ約束を果たせないんじゃないかという不安な気持ちが湧いてきました。

 

この不安な感情も生々しくて、良いなと思ってます。

 

今年は、思いつきで始めて、突貫工事のような会となりましたが、やらないよりやって良かったなと強く思います。

 

来年はしっかりと準備をして臨みます。

 

手伝ってくださった方々、時間を作ってかけつけてきてくださった方々に感謝です。 

 

「日本の田舎から人々の価値観を揺さぶる」

という株式会社suecoの理念

 

そして、今日語った会社の目標

 

これらを実現すべく、一日一日大切にコツコツやっていきます。

中村さんとの再会


f:id:matsumo_saga:20230309231722j:image

 

foodboxの中村さんが、素ヱコ農園に立ち寄ってくださりました。

 

中村さんとの出会いは、3-4年前。

 

僕がまだ学生だった頃です。

 

その頃の僕は、内定先していた企業の就職を、「自分のほんとにやりたいことから逃げてるのでは?」と断ったばかりでした。

 

思い切って内定を辞退したにも関わらず、特に能力もないので、自分で何かするイメージを全くもてず、また就活を始めようかと迷走してました。

 

すごく不安でした。

 

創業されたばかりで時間がないにも関わらず、中村さんは僕の相談に乗ってくださって、ラーメン食べて、温泉に連れて行ってもらったという記憶があります。

 

その後、数年間は、リアルでお会いする機会はありませんでしたが、SNSでずっと気にかけてくださっていたようです。

 

「ずっと会ってなかったですが、松本くんは、SNSこまめに発信しているから、何してるかわかりますね。めちゃくちゃリスク取ってやってますね」 

 

と中村さん。   

 

数年前に一度しか会ってないにも関わらず、こうして気にかけてくださってたことに感謝です。

 

中村さんは、今年佐賀によく来るそうなので、学生の頃とは違う形でいろいろと関われたらいいなと思います。

 

改めて発信の大切を感じました。

 

最近は、発信を怠っていたので、また発信頑張ります。

 

学生時代に面識があった人と会うのって良いですね。

 

あの時と自分もやってることが全然違うから、新鮮な気持ちでした。

 

 3年後の自分も、今の自分から想像できない自分になりたいです。

 

 

 

アルバイト新加入


f:id:matsumo_saga:20230301222141j:image 

 

気づけば3月!

2月はどこへ行ったのだろうか。

 

近所の梅の花も満開で、いよいよ冬が開けてきたなという感じになってきた。

 

相変わらず、立ち止まることなく、どんどん進めているので、人手が足りない。

 

鶏舎の部屋の増設と、通路の拡張と、倉庫と休憩所の建設

 

小屋の賃貸とリフォーム業者の選定と補助金の申請

 

ネットショップの改変、料金の見直し、運送会社の見直し、加工品の開発・販売

 

経営計画書の作成、発表会の実施など

 

3月は中旬頃までに、やりたいことが溢れている。

 

うちは人数も少なく、みんなで手分けして、やっているが、なかなか仕事がさばけない。

 

田中に「誰か若くてやる気ある人で、うちにアルバイトしてくれる人おらんかな?」と相談したら、数日後に弟を連れてきてくれた。

 

弟は4個下で、料理人だ。

たまたま仕事を辞めたタイミングで、5月まではゆっくりする予定らしく、3月4月の2ヶ月うちでアルバイトしてくれることになった。

 

料理人ということもあり、生産者のもとで働く経験はプラスになるのではと考えたらしい。 

 

社員の田中は、とても素直で真面目だが、弟もとても真面目だ。

 

話を前のめりに聞いてきて、何か吸収してやろうという気がすごく伝わってくる。

 

2ヶ月働くって短いようだが、アメリカに2ヶ月行くとなると、長く感じる。

 

2ヶ月できっといろんなことが進むと思う。

 

アルバイトしてくれる田中くんにとってもいい時間にできるようにしたい。

 

そして、アルバイトを指示する社員の田中の姿はとても頼もしかったし、一年でだいぶ変わったなと頼もしく思った。

 

アルバイトに入ってくれた田中くんにも社員の田中くんにも気持ちよく働ける環境を作っていきたい。

妻との会話

仕事の都合上、妻と一緒にいる時間が長い。

 

妻もうちの仕事を手伝ってくれているので、仕事でも家庭でも一緒になる。


f:id:matsumo_saga:20230220231140j:image

妻との会話のほとんどは仕事の話だ。

 

僕はそれが面白いと思っているが、妻もそれを面白いと思っているようだ。

 

結構真面目に議論するので、しばしばヒートアップすることもあるが、妻はそういうのも含めて楽しんでいるようだ。(側から見たら喧嘩してるように見えていると思う笑)

 

随分変わっていると思う。

 

僕と結婚する女性なので、そりゃ変わってるか。

 

さて、これから素ヱコ農園として、加工品を商品化していきたいが、加工品については妻にかなり任せている。

 

妻は、今日も県の方や小城のお菓子屋さんと一緒に試作の開発に行くと家を出ていった。

 

子供を寝かしつけた後、一人で夜遅くまで仕事している時もしばしばあり、横で見ていて、かなりエンジンかかっているなと感心する。

 

そんな妻が最近よく議論するのが、ブランディングについてだ。

 

商品開発をする上で、闇雲に商品を出せばいいというわけではなく、素ヱコ農園のコンセプトに基づいた商品作りが大事だと妻は考えているようだ。

 

それは僕も100%同意見だ。

 

素ヱコ農園の考え方ややっていること、これまでのストーリーや世界観に信頼して、卵を買ってくださる。

 

素ヱコ農園として、商品を出すなら、当然それを踏襲したものでないと、加工品を出すことでかえって卵の足を引っ張る可能性がある。

 

妻はそれをかなり認識しているので、商品を出すのが楽しみにしているようだし、一方で、素ヱコ農園のブランドが薄まるんじゃないかと恐怖も感じているようだ。

 

プリンに関しては、パッケージも決まり、これから販売していくところだが、

 

どうやって、その商品を訴求していくか、パッケージはこれで良いのか、言葉はこれで良いのか、そもそも、素ヱコ農園ってお客様にどんなイメージを持たれているのか、

 

などさまざまなことを考えているようだ。

 

素ヱコ農園のイメージって、3つ挙げるとすると、何かな?

妻から聞かれた

①あたたかさ、優しさ

②誠実さ、真面目さ、一生懸命さ

③質が良い、こだわっている

 

みたいな感じかなと思った。

 

以前、素ヱコ農園の看板を軽トラにつけていたことがあった。

 

街中で、素ヱコ農園の看板見たよ!って何人かの人に言われたことがあった。

 

でも、外した。

 

あの看板をつけて、打ち合わせなどでどうしてもファミレスに入らないといけない時があって、すごく気まずかったから。

 

なんかわからないけど、素ヱコ農園っぽくないというか。。

 

そんなことを考えると、日頃の発信もそうで、素ヱコ農園として発信するなら、その世界観を大きく逸脱したものではいけないなと強く思った。

 

妻が、商品を企画していくことの恐ろしさを感じていて、素晴らしいなと思った。

 

 

 

 

 

決算ー赤字

会社にして一期目の決算が終わった。

 

結果は数百万円の赤字だった。

 

実際に自分で会社を設立して、運営してみて、事業をやっていくことの難しさというのを痛感した。

 

見渡すと、どの会社も、従業員さんを何人も雇用し、その方々の働きやすい環境を作り、そして、社会に価値を提供している。

 

会社があることは、ついつい普通のことだと思ってしまうが、今の僕からしたら、かなりすごいことのように思える。

 

思ったように卵が取れず、お客さまにお届けできない日が続き、売上が落ち込んでも、従業員さんにはお給料をきちんとお支払いしないといけないし、他の支払いも待ってくれない。

 

やればやるだけ借金の額がどんどん増えてくる。

 

振り返ると、そんな一年だったような気がする。

 

一方で、少し手応えを感じた一年でもあった。

 

おかげさまで、売上は順調に伸びていて、リピータさんがどんどん増え、あればあるだけどんどん売れるような状態だ。

 

前期は、必要な卵の数が取れなかったが、今年に入り、やっとトントンになるような卵の数になってきた。

 

これは田中のおかげだ。一年で鶏のことだいぶ勉強してくれた。

 

また、僕自身もこの一年で、業務内容はだいぶ変わった。

 

当初は鶏の飼育から、卵の販売、受注管理なども全部1人でやっていたが、スタッフさんにある程度任せれるようになってきた。
f:id:matsumo_saga:20230218223202j:image

 

現状、4人でやっているが、スタッフさんはみんな主体的なので、僕はほとんど支持することなく、自分の考えでどんどん工夫してくれているからとても頼もしいなと思って仕事に取りんでいる。

 

また、来週から一人、2ヶ月の短期アルバイトとして、入ってくれるようになった。

基本的には、社員の田中にお世話してもらうつもりなので、どんな風になるか楽しみである。

 

まだまだ赤字な企業だけど、僕はすごくワクワクしているし、これから先、希望しかない。

 

とはいえ、まだまだ労務環境はあまり良いものとはいえず、僕の自宅が事務所になっているし、休憩所もトイレもない。

 

2期目である今期は、着実に成長しながら、社員さんが気持ちよく働けるような環境を作っていきたい。

 

具体的には、トイレはもちろん、脱衣所や休憩所、事務所など。

きっとめちゃくちゃお金がかかるんだろうなと思っているが、うちで働いてくれている人のためにも、それは必ずやりたい。

 

また、今売り上げが卵だけになっているので、それ以外にもお客さまに提供できるものというものを作っていきたい。

卵だけに依存するととても危ないなということが前期で分かった。

 

とはいえ、卵に依存することしかできなかった前期なので、今期はそこをいかに克服できるか。

 

また、採用もやっていきたいと考えている。

アルバイトではなく社員さん、そして、若い人を雇いたいと考えている。

 

そのためにも会社の力というのをちゃんと作っていかないといけない。

 

僕たちは、こだわりの卵を作って今があるので、そこに一番力を入れて、お客様と丁寧なコミュニケーションを大切にしたい。

 

そして、原点を大切にしたい。

ばあちゃんがいたから、そして、この田舎をなんとかしたいと考えたから、伊万里に帰ってきた。

 

田舎をなんとかするためには、守ることも必要だか、でも、どんどん挑戦していくこと。

僕らが挑戦して、失敗しても、イキイキして楽しそうにしている姿を見て、感化される人もいると思う。

 

そこをブラさずに今期はもっともっと挑戦していきたい。

 

会社の決算が出たので、考えていることをバーバーっと書き殴りました。

 

とりあえず、頑張ります。

 

 

 

 

 

餌の繊細さ

僕達の卵づくりのキモなるのは、餌作りだ。


f:id:matsumo_saga:20230217172924j:image

 

その餌作りで、壁に当たった。

 

そもそも、自分達で餌を作っている養鶏場はかなり少ない。

 

理由は①調達の難しさ、②調合の難しさからだと思う。

 

①調達の難しさ

うちは、かなり小規模な養鶏場だが、毎月5トンの餌が必要となる。

 

ちなみに、人間が一年間で食べる食事は1トンぐらいらしい。(なんの比較もできない数字)

 

毎月5トン。しかも、そのうちの95%ぐらいの餌を地元から調達しているため、それだけの量を集めるためには様々な業者とやり取りしなければいけない。

 

いまのところ、googleマップで検索したりや人の紹介のお陰でなんとか調達はできている。

 

今、壁に当たっているのは②調合だ。

集めてきた餌を、卵を産むための最適な栄養バランスで混ぜなければならない。

 

配合飼料の栄養バランスを参考にしながら、地元で集めてきた餌を良い塩梅で、配合しなければいけない。

 

夏や冬で食べる量が全然違うし、地元で調達するものの中には、野菜や米など時期によって取れるもの、取れないものなどある。

 

季節の違いによる餌の変化は最近やっと対応できるようになったばかりだ。

 

ここで、新たな問題が浮上した。

 

うちは発芽玄米と同じ原理で、発芽したもち麦を鶏の餌として与えている。

 

めちゃくちゃ栄養価が高く、鶏は僕らが発芽麦を持っていると分かるとすごい勢いで集まってくる。

 

そして、他のものには目をくれず発芽麦り食べる。

 

「こんなに美味しそうに食べるなら、どんどんやりたい」 

と思っていたが、これが罠だった。


f:id:matsumo_saga:20230217172449j:image

ある一定数までは発芽麦を食べることで卵の数も増えるし、鶏は健康になる。

 

だから、たくさん鶏が食べたいなら食べたいだけ発芽麦を与えた。

 

すると、鶏はそれしか食べず、他の餌を食べてくれなくなった。  

 

餌箱を見ると、栄養価を考えて作った餌が残っている。

 

そして、卵の数が一気に下がってしまった。

 

鶏が求めることをしてあげたのに、その結果、僕らが求める卵は減ってしまった。

 

ここから、学んだことは

①相手が喜ぶからと言って、好きなものばかり与えてはいけないこと

②好きなものばかり食べているとバランスを崩す

③生き物はかなり繊細 

 

鶏が喜ぶからという理由で餌を増やすことを辞めた。

 

ほんと、バランスって大事なんだな。

 

まだまだ試行錯誤の毎日です。